なんで起きるの?どんな検査をするの?お金はいくらかかるの?(シリーズ生理痛②)
前回は、生理痛について具体的な痛みの程度について書いてみました。
他の人と比べて、自分の生理痛は重い方でしたか?
それとも軽い方だったかしら?
前回のお話を読んで、
「当てはまってる、思い当たるな」とか、「産婦人科に相談に行ってみようかなぁ」って思っても、
「産婦人科ってどんな所なんだろう?」
「どんな検査をするのかな?」
「どれくらいお金がかかるのかな?」
って思う人も多かったんじゃないかなと思います。
そこで今回は、
- 1)生理痛の原因(原因になる病気)
- 2)生理痛の原因を調べる方法(検査)
- 3)検査のおおよその費用
について書いていきたいと思います。
1)生理痛の原因
生理痛の原因は年齢や症状によって変わります。
検査によって子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科の病気が見つかる事もあるし、お腹の中に全く病気が無くても生理痛は起こります。
・原因不明(機能性月経困難症)
検査をしても、はっきりとした原因が見つからない、でも生理痛は確かに辛い、という状態を、ちょっと難しい言葉だけど、“機能性月経困難症“と言います。
機能性月経困難症の生理痛は、子宮が過剰に収縮するために起きる痛みです。
10~20代の若い人に特に多く、特に治療や予防を行わなくても、年齢と共に自然に治ってしまうこともよくあります。
また、お腹の中に病気がある訳ではないので、将来的に困ることもありません。
ただ、痛いし辛いのは嫌ですよね。
でも大丈夫^ ^
診察を受けて特に異常なしと言われても、痛み止め(鎮痛剤)、漢方薬、ピルなどの処方をして貰って、日常生活を快適にすることが出来ますので安心して下さい^ ^
・子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科の病気
超音波や内診などの検査をして、子宮内膜症や子宮筋腫と診断される場合もあります。
この2つの病気は、生理痛を通常より辛くする憎らしい2トップの病気で、かつ、頻度が高い病気です。
患者さん達を生理痛、排卵痛、エッチの時の痛み、そして不妊!にする、憎々しい病気です。
生理痛が辛い人は可能性があるかもしれないよね。
おちび先生は内膜症のせいで涙する患者さんをたくさん診てきたの。
2つとも病気としては、良性疾患、つまり悪性ではない(癌ではない)ので、すぐに命に関わる病気ではありません。(子宮内膜症は大きくなったり、増悪すると癌化することもあります。)
どちらも生理時の出血量が増えたり、生理痛だけでなく、排卵時や排便時、セックスの時にも痛みがあったりします。
そして何より、女子として「いま妊娠したい」または「将来妊娠したい」と思う人にとって、妊娠し難い状態を作ったり、妊娠中にトラブルを起こしたりする、とっても厄介な病気たちなのです。
なぜ、子宮内膜症や子宮筋腫によって生理痛が辛くなるかは、それぞれの病気のコーナーで説明しますが、
若い内にきちんと診断をして、妊娠や出産、将来の癌化の予防に向けて、対策をすることが大切なのです。
2)検査
まずは、お腹の中に目で見える様な病気がないかどうかの検査をします。
お腹や膣から観察する超音波や内診(膣からの診察)によって、子宮内膜症や筋腫などの病気がないか調べます。
画像を目で見るだけでなく、血液検査で病気の証拠を確かめる事もあります。
性病の可能性を調べる事もあります。生理痛が辛いのは、骨盤内の感染が原因のこともあるからです。
性病の検査は、膣の中のおりものを採取して調べたり、血液検査によって調べます。
3)費用
診察やお薬代にかかる費用は、生理痛が辛いという症状があれば保険診療になるので、日本国内であれば全国どこの病院で行っても同じ金額です。
・診察にかかる費用
- 初診料 850円
- 超音波検査(内診 もしくは お腹から) 約1500円
- 腫瘍マーカー(CA125)(採血) 約1000円
- クラミジア・淋病(おりもの検査)約1500円
・処方
お薬が必要な人には、痛み止めかピルを処方します。
- 処方せん料(お薬をご案内した際に発生するお金) 200円
- お薬代
- ピル1ヶ月分 800~2200円(+診察料や処方箋料1500円くらいがかかります。)
- 痛み止め 約300~400円(1日3回1週間分)
どうかしら?
想像していたより、高いなと感じましたか?それとも、意外と安いなと感じましたか?
生理痛が辛いけど診察を受けたことがない、という人は、是非検査を行って欲しいと思います。
辛い生理痛の背景に実は、将来の自分にとってマイナスな病気が隠れていても、検査をしなければ作戦の立てようがないからです。
産婦人科に行って検査を受けるのは、面倒くさいな、とか、お金がかかるから嫌だな、と思う人もいるかもしれないけど、、
薬局に売っている痛み止めで生理痛を抑え込むより、
生理痛の原因を知って、自分の身体を知ること、
生理中もいつもと変わらず元気で笑って過ごせること、
それはとっても大切なことだと思うのです。
今日、このお話を読んでくれた生理痛に悩む女子が
関心を持ってくれたら良いな。
うんうん、このお話を読んで、産婦人科に行って診察してみようかな、
というハードルが少しでも下がってくれたら嬉しいな。
最後まで読んでくれて、ありがとう^ ^