陰部のトラブル、かゆい、とか、匂いだけでなく、おりものの量が
気になっている女子って、結構多いんじゃないかと思います。

おりもの（無意識の状態で膣から出てくる液体のこと）って、
気にしていますか？

おりものは、色、におい、量が、環境や体調によって、ちょっとずつ違っているはずです。

幼稚園くらいの小さなお嬢さんから大人女子に至るまで、おりものの異常を
心配して産婦人科に相談にくる女子はたくさんいらっしゃいます。

そこで今回は、
おりものにはどんな意味があるのか、
異常を感じた時はどんな病気があるのか、
女子の皆さんが知っていそうで知らない、
おりもののお話をしようと思います。

ではさっそく、

• 正常なおりものと異常なおりものの違い
• おりものの異常の原因
• おりものの検査・料金
• 異常なおりものがある場合の治療

という順番でお話していきますね。

・正常なおりものと異常なおりものの違い

そもそも、おりものが普段から少量出ているのは普通です。

また、通常、おりものは排卵日直前くらいから増え始め、排卵後まで継続して多く出ます。

生理周期（生理が始まってから次の生理が始まるまでの期間）が28日くらいの女子の場合、生理が始まった日を1日目として14日目前後に排卵が起きます。

排卵日は文字通り卵が排出される日で、この排卵日前後にセックスをすると妊娠をします。

おりものは普段は硬めでお水の様に流れない状態ですが、この排卵日前後では、精子が泳ぎ易くなって妊娠し易くなるように、柔らかい状態に変化してサラサラのお水の様な状態になります。同時に量も増えます。

なので、この排卵日を中心に増える透明～白色のおりものは、このような生理的な体の変化によって起きており、異常なおりものではありません。

おちび先生の患者さんはよく「ヨダレみたいなおりものがショーツにつきます」とか「白っぽくて、お漏らししたみたいに思う」と表現してくれます。

また、膣内には外部からの感染を防御する働きを持つ自分守り菌が住んでいます。雑菌などが増えないように酸性に保たれているため、おりものは酸っぱいような臭いがしますが異常ではありません。

なので、おりものは少量ならあるのが普通で、少し酸っぱい様な匂いも普通です。

そして排卵日前後で増えるのは普通なのです。

おりものの異常の原因

・子宮頚癌などの婦人科の病気

うんうん、でも、ちゃんと検査を受ければ大丈夫です。

子宮頚癌は、セックスをした時にうつるHPV（ヒトパピローマウイルス）というウイルスが原因で発生するので、パートナーがいて定期的にセックスがある女子はもちろん、セックスの経験が一人で一回でも発生することがあります。

なので、おりもののトラブルがない女子も、一度も子宮頚癌の検査を受けた事がない女子は、ぜひ検査を受けて欲しいと思います。

自治体によって異なりますが、年齢によって検査費用を市町村が補助してくれるので、場合によっては無料で検査が可能です。

頚癌検査は子宮の出口の細胞を綿棒でこするだけの簡単な検査で、基本的に大きな痛みはありません。

・雑菌

臭いがするおりものの原因で一番多いのは雑菌やカビです。雑菌は体の表面や腸の中にいる菌です。

雑菌に感染すると、おりものは量が増えるだけでなく、嫌な臭いがします。

ウンチをした時に肛門周囲を拭いたのが膣内に侵入してしまったり、原因は様々ですが、軽いものであれば自然に治ることもありますが、症状が続く場合は産婦人科に相談に行ってみましょう。

・カビ（カンジダ）

カンジダというカビの一種も、外来でとってもよく見かけます。

膣内にカンジダが増えてカンジダ膣炎になると、カッテージチーズの様な、酒粕の様な白くて、ボソボソとしたおりものが増えたり、痒みが出たりします。

前述のように膣内には自分守り菌が住んでいて膣内の環境を保っていますが、陰部を石けんやボディソープで洗うと、この自分守り菌が死んで、代わりにカンジダがはえ易くなります。

カンジダ膣炎を繰り返す女子は、もしかしたら洗い過ぎが原因かもしれません。陰部はお湯ですすぐだけで十分です。

石けんやボディソープでゴシゴシ洗うのをやめるだけでも、繰り返すカンジダを予防できる可能性があります。ぜひ、気をつけてみて下さいね。

・性病（クラミジア・淋菌）

おりものが多い場合に注意して欲しい病気の一つは、クラミジアや淋菌など、セックスによって感染する性病です。

おりものが多いという患者さんで、定期的にセックスをしている場合、クラミジアの検査をすると陽性になる方がとっても増えています。

ほんの少し前まではセックスの経験数が多い一部の女子に多かった性病ですが、ここ最近は経験数が少なくても陽性になる女子が増えています。

「私は今まで彼氏も数人、経験数も数人だから、性病なんて関係ないわ」なんて事はなくなってきてるのです。

皆んな、他人事ではなく自分事だと思って、恥ずかしがらずに積極的に検査を受けて欲しいです。

特に、クラミジアは、本当に要注意です。まず、雑菌と違って、自然には治りません。

簡単なおりものの検査で調べれば感染が分かり、治療法もちゃんとあるので、ぜひ産婦人科に行ってみて下さいね。

・おりものの検査・料金

おりものを内診で採取して、培養検査という感染の犯人である菌を特定する検査を行うと、雑菌やカンジダ、トリコモナスの診断が可能です。

おりものの異常があったり、腹痛があるなど、症状がある女子や定期的にセックスがある女子はクラミジアの検査も積極的に行った方が良いでしょう。

検査

・培養検査

・クラミジア検査

・子宮頚癌細胞診の検査

その他、初診料や再診料がかかります。

症状によってかなり前後はしますが、概ね2000円前後くらいで検査が可能です。

・おりものが多い時の治療

おりものの原因に対応した治療が基本です。

感染なら原因になっている病原菌をやっつけるお薬を使用するし、その他の事が原因なら、それに対して根本的な治療を行なっていきます。

まとめ

↓こんな症状がある時は、産婦人科の先生に相談にいきましょう。

• おりものが多い
• おりものが臭う
• 陰部が痒い

• 石けんやボディソープで洗い過ぎ✖️
  陰部はお湯ですすぐだけにしましょう。
• クラミジアは増加傾向です。症状がある場合はもちろん、置かれている環境によっては症状がなくても、「まさか自分は違う」と思わず、積極的に産婦人科での検査をお勧めしたいです。

最後まで読んでくれてありがとうございます^ ^