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3.生理不順の治療 (生理不順のお話③)

[2023.02.08]
 

さてさて、前回までのお話は分かり易かったかな?

 

生理不順について理解が深まっていると良いなぁ

生理不順の期間や程度、原因や病院に行く目安をご説明した所で、生理不順の治療についてお話しようと思います。

 

そもそもですが、

生理不順は治療が必要?

生理が順調でないと言う事は、排卵までに時間がかかったり、排卵していなかったりするわけなので、妊娠をしたい方にとってみると、当然ながら不利益に思えますね。

では、妊娠の希望がなかったらどうでしょうか?

生理が来なかったり不順でも、妊娠の希望がなければ、特別問題はなさそうに思うかもしれませんね。

でも、そうではないのです。

排卵と生理が順調な人とそうでない人には、単に表面的に生理不順という問題があるだけでなく、その生理のリズムによって受ける女性ホルモンの影響にも差があると考えられます。

また、生理の出血には、定期的に子宮が出血を起こす事により子宮の病気を予防しているという役割もあります。

ですから、生理不順を放っておくと、

    • 将来、妊娠が難しい場合がある

    • 将来、がんの心配がある

    • 骨粗しょう症になる(骨折しやすくなる) などの問題があります

 

やっぱり、ほったらかしは良くありませんね💦

また、日常生活や妊娠、避妊の観点からも、生理が不順だと、学生生活やお仕事で大事なイベントがある場合などに突然の出血に戸惑うかもしれないし、避妊の意味でも排卵の時期が全く不明なのは危険ですよね。

    • 生理がいつ来るか分からないので、わずらわしい、スケジュールがたてにくい

    • 排卵日が分かり難いので、妊娠に挑戦するのが難しい

    • 排卵日が分かり難いので、避妊の観点で特に危険な日が分かり難い(性交渉時にコンドームの装着は絶対だとしても。)

などの不利益があります。

生理の周期が全くバラバラの方の場合は、予期せぬ事態に備えて原因を確かめたり、生理周期を整えたり、ある程度の対策を立てた方が良いでしょう。

生理不順に対する具体的な対応

・妊娠の希望がある場合

妊娠を目指して、排卵や生理が不順な原因を調べます。

排卵が起きる様にすれば妊娠にも繋がります。

場合によって、排卵が起こすための、排卵誘発剤というお薬を使用する事もあります。

リズム良く排卵が起きる事によって妊娠に挑戦し易くなり、排卵が一定になると、結果的に生理周期も整います。

・妊娠の希望がない場合

生理が不順でも3ヶ月異常あいていなければ、経過観察も可能です。

がんの予防のためには少なくとも3ヶ月に1回は出血を起こしてあげる必要があります。

一般によく使用するホルモン剤を使用して、生理が3ヶ月以上ない場合には、一旦出血を起こす事をします。

いつ出血が起きるのか分からないのが面倒だなと感じる方は、定期的に出血が起きる様にする事も可能です。月の決まった期間にホルモン剤を内服をすれば、生理期間を安定して迎える事が出来るので安心です。

生理痛やPMSが辛い方や、避妊の希望が同時にあれば、ピルによって定期的な出血を起こしてあげるのも良い方法です。

40歳前後の方、閉経が近い方の月経不順は、月経不順と思いきや不正出血だったりすることもあるので注意が必要です。

また、この年代の方は、月経不順を改善するべきか、生涯健康のためにホルモンの補充が必要か、妊娠を望む方やお若い方とは別に、考慮すべき問題があるので、産婦人科の先生とよく相談するのが良いでしょう。

自然に治るかどうか

生理不順は自然に治るのでしょうか?

原因によっても、年齢によっても、その答えは違ってきます。

    • そもそもの生理不順が若い方の卵巣の未成熟が原因なら、年齢を重ねて20歳代になるにつれ自然に改善する事も多くありますので、あまり心配し過ぎず、ゆっくりと待ってみるのも良いと思います。

    • 多嚢胞性卵巣症候群の方は、自然にリズム良く排卵するようになるのは、ちょっと難しい方も多いです。同じ多嚢胞性卵巣症候群の方でも、生理不順の程度には個人差があり、ゆっくりだけど自力で排卵が起きて生理がくる方(生理周期が長いけど一定の方)、何もしないと全く排卵が起きない=生理が来ない方、など色々です。妊娠希望ができるまでは生理を起こす薬を飲んだりして経過観察し、妊娠希望ができたら排卵を促す薬を使用するなどして積極的に介入していきます。

    • ダイエットや過食による体重の増減が原因なら、体重を正常な範囲に戻すことが大切です。痩せ過ぎや肥満の期間が長く、生理不順や無月経が長かった方は、その後に妊娠を希望した際になかなか排卵がうまくいかなかったりして、妊娠が難しくなる事も多々あります。生理不順が起きるほどのダイエットや肥満は、少しずつ工夫をして体重をコントロールする様にしましょう。

    • 高プロラクチン血症などのホルモンの異常が原因で月経不順や無月経が起きている方は、その基礎疾患を治療したりホルモン値が改善すれば、自然に改善する事も多いので、やはり原因検索は入念に行った方が良いでしょう。

 

皆さんが一番心配なのは、なにか深刻な病気なのではないか、

将来的に赤ちゃんが出来るかどうか、という点ではないかな。

前述の様に、

 

ほったらかしは良くありません。

原因をちゃんと検索して、自分の体の事を知って欲しいと思います。知ってみて、どんな方法を選択するのが良さそうか、産婦人科の先生と一緒に考えて欲しいと思います。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

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