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とってもやさしい、ピルの選び方(ピルのお話①)

[2022.04.05]

 

最近、女子の皆さんのピルに対する興味や
関心が以前よりも高まってきた様に感じます。

おちび先生の外来にも
「お友達が使っていて生理痛が軽くなったと聞いたので、
私も使ってみたい」
「PMSが楽になったと聞いたので相談に来ました」
という女子がたくさん相談に来ています。

以前までに産婦人科に来てくれた患者さんと比べて、
ピルに対する抵抗感が減ってきたなぁと感じます。

女子の皆さんからよく聞かれること、
相談されることは、

  • ピルって生理痛が軽くなるらしいけど、本当ですか?
  • PMSに効くって、本当ですか?
  • 肌あれが改善されたりニキビが減るって、本当ですか?
  • 種類が多過ぎてどんなピルが自分に合っているか分からない
  • お母さんが危ないって言っていて、使ってみたいけど心配です
  • ネットで調べたらオンラインでも買えるみたい、産婦人科のピルと何が違うの?
  • なんで、お値段が全然違うのかな?

などなど、皆んな興味はあるけど、
「なんかよく分からないなぁ」って様子です。

ネットで調べると色々書いてあるけど、
結局、自分はどのピルが合ってるのか、
どこで処方して貰ったら良いのか分からなくて、
とりあえず相談に来てくれたという女子は本当に多いです。

そこで今回は、誰でもやさしく読める、
ピルの選び方について書いてみたいと思います。

  1. ピルの種類と選び方
  2. ピルの良い点&注意点
  3. ピルはどんな仕組みで効いているの?

こんな順でお話ししていきます。

やっぱり皆さんが一番知りたいのは
ピルの種類と選び方かなっと思うので、
まずは1でピルの種類や選び方についてお話して、
少しずつ理解を深めていける順番にしました。

先に仕組みをしっかり勉強してから
選び方を学びたい女子は、
3→2→1の順番で読むのも良いかなと思います^ ^

2のお話では、どんな効果があるのか、
使用する時の注意点について。

3のお話では、
ピルがどんな仕組みで働くのかを解説します。
また、オンラインで購入する場合の
良い点と注意点もお話します。

 

初めてピルのことを勉強する女子にも

分かりやすく書いてあるよ

 

それでは、いってみよう〜

ピルの種類と選び方

ピルって、これだけの種類があります。
(現在、日本で販売されている製品です。)

 

いっぱい、あるんだねぇ〜

 

どれを選んだら良いか、わからないよぅ

 

うんうん、そうよねぇ
順番に説明していくね

ここに載っているピルは、
低用量ピルと言って、
中に含まれているホルモンの量が
とても少ないものです。

皆さんが俗に言う「ピル」とは、
この低用量ピルを指している事が多いです。

他にも緊急避妊目的や月経移動目的で
使用する中用量ピルなどもありますが、
副作用が低用量ピルよりあるので、
特別な理由がある時に処方されています。

表のお薬、ざっくり、どう違うかと言うと、

  • 中に含まれているホルモンの種類、量、配分が違う。
  • 中に含まれるホルモンの種類によって、
    改善できる得意分野が少しずつ違う。
    なので、お悩み別でお勧めが変わってくる。
  • 連続して飲む日数が違う。
  • 生理痛やPMSなどの症状のあるなしによって、
    保険で出せるピルとそうでない自費のピルがある。
  • 中身は同じだけど製造している会社が違う。
  • 中身は同じで会社も同じだけど、
    後発品(お値段が安いバージョン)である。

順番に詳しく説明しましょう^ ^

*ホルモンの種類、量、配分による違い

ピルは、自分の卵巣から出ている、
2種類の女性ホルモン
(卵胞ホルモンと黄体ホルモンと言います)が
含まれているお薬です。

仕組みの詳しい説明は3の投稿で書きますが、
ピルの主な作用は、
お薬に含まれているホルモンの働きにより
自分の排卵は起きなくなり、
女性ホルモンの活動が抑えられることです。

なので、低用量ピルには全て、避妊効果があります。

卵胞ホルモンの種類はどのピルも
同じものが含まれていますが、
黄体ホルモンは開発された時期
(世代と言って、第1世代から第4世代まであります)によって、
それぞれのピルで違う種類が含まれています。

同じ種類の黄体ホルモンが
含まれているピルの仲間は、
同じ効果があり、
得意分野も副作用の傾向も似ています。

表のお薬を、同じ黄体ホルモンが
含まれている仲間どうしで分けて、
特徴を少し詳しく説明してみます。

 

自分の目的に合った効果があるピルは

どれかしら。。

まずは、そんな風に選んでみると

良いかもしれないです。

・ルナベルLD/ULD、フリウェルLD/ULD:
生理痛が辛い女子、
月経量が多い女子にお勧め。
肌あれ、ニキビにも効果あり。

生理時の出血量が減るので、
生理痛を改善する効果が
他のピルより高いと言われています。

ULD(ultra low dose:超低用量)と言って、
ホルモン量がとても少ない種類があるのが特徴。

ルナベルとフリウェルの中身は全く同じ。
先発(ルナベル)か
後発(フリウェル)かの違いです。

含まれるホルモン量が少ないゆえに、
副作用として不正出血が起こり易いです。

コスパを重視する女子は、
全てのピルの中で一番安いフリウェルがお勧めです。

・トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ:
避妊目的&性欲減退したくない女子にお勧め。

飲み始めの日から段階的に
ホルモンの量が増えていく、
3相性というタイプのピルです。

表にある他のピルは全て1相性。
全ての錠剤に同じ量のホルモンが含まれています。

3相性は自然なホルモンバランスを
再現していて、出血がしっかり起きます。

そのお陰で不正出血などの副作用が
出難いと言われています。

その一方で、
3相性のホルモンは1相性にはない、
ホルモンの変動があるため、
ホルモンの変動が原因で辛くなる
PMSの女子には向いていません。

男性ホルモンが活性化するタイプのピルなので、
性欲減退ややる気の減退がないのが良い点ですが、
逆に体臭が強くなったりする
副作用が出る女子もいます。

ジェミーナ:
生理痛を改善したい、
月経量を改善したい女子にお勧め。

トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュと
同じ種類の黄体ホルモンが含まれていますが、
ジェミーナだけは1相性で保険適応が
あるお薬であるという点が違っています。

長期連続投与も可能で、
内服している期間は出血が起きないので、
出血が3ヶ月に1回で良いのは嬉しいですね。

マーベロン、ファボワール:
避妊目的&ニキビの改善が希望の女子にお勧め。

男性ホルモンの抑制効果が高いピルです。

なので、ニキビや多毛の改善が期待出来ます。

逆に、性欲減退ややる気の減退を
感じ易いという副作用もあります。

ヤーズ、ヤーズフレックス:
生理痛を改善したい、
月経量を減らしたい、
PMSを改善したい、という女子にお勧め。
肌あれ、ニキビにも効果あり。

ULDと書かれていませんが、
こちらもルナベルや
フリウェルと同じ超低用量ピルです。

このため月経量が減り、
生理痛にとても効果があります。

ルナベルやフリウェルとの違いは、
ヤーズはむくみが起こり難いこと、
PMSに対してはヤーズの方が
効果が高いと言われている点です。

また、ヤーズフレックスは
最長120日の長期連続投与が可能です。

120日間も出血が起きないのは、
有り難い女子もきっと多いですね。

日本ではまだ認知度が低いですが、
海外では長期連続投与はとても人気があります。

ルナベル、フリウェル同様、
含まれるホルモン量が少ないゆえに、
副作用として不正出血が起こり易いです。

 

合っているピルはあったかしら?
お悩み別にも書いてみたから、
まとめとして確認してみてね

*お悩み別、おすすめのピル

避妊が目的の女子&性欲減退したくない:
トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ

避妊が目的&ニキビを改善したい女子:
マーベロン、ファボワール

生理痛を改善したい、月経量を減らしたい女子:
ルナベル、フリウェル、ジェミーナ、ヤーズ

PMSを改善したい女子:ヤーズ
(表のピルであれば、
トリキュラー、ラベルフィーユ、
アンジュの3相性ピルを除き、
どのピルもPMSはかなり改善します)

コスパ重視の女子:フリウェル

*飲む日数の違い

ピルはこんな感じでシートになっていて、
1シートが21錠のものと28錠のものがあります。

1日1錠、毎日飲むので、
21日で終わるものと28日で
終わるものがあるという事です。

21日のタイプは、
21日連続で飲んだら7日休み、
また次のシートを21日飲んだら7日休み、
の繰り返し。

21日タイプのピルでは、
7日間の休薬期間中に
生理みたいな出血が起こります。
(便宜上、生理と呼ぶ事もあります)

28日タイプは、1シートが終わったら、
お休みせずに新しいシートを直ぐに飲み始め、
それを繰り返します。

28錠タイプは最後の7錠が
ホルモンを含まない偽薬になっていて、
偽薬を服用中に生理みたいな出血が起こります。

 

21日と28日、
どっちを選んだら良いの?

 

7日お休みすると、
再開の日を忘れそうな女子は
28日タイプが良いかもね。

21錠タイプは内服をお休み出来たり、
価格がお安めだったりするメリットはあるけれど、
再開時に飲み忘れてしまったり、
休薬期間を間違えてしまう可能性もあります。

28錠タイプは何も考えずに、
ひたすら継続して飲めば良いので簡単ですが、
21錠タイプと比較するとお値段はやや高めです。

*保険と自費の違い

簡単に説明すると、
生理痛やPMSなどの症状がある場合は
お薬は保険診療のお値段で処方できます。

と聞くと、
「保険診療のピルの方が安いよね」
と考える女子も多いと思いますが、
意外とそうでもありません。

保険診療でも自費診療でもお薬代の他に、
初診料、再診料、処方料なども含まれるので、
患者さんや診察の内容によっては、
合計すると両者が変わらない場合もあります。

自費と保険の違い
女子の皆んなが知りたい
お値段以外の注目ポイントは、

・超低用量ピルは保険適応ピルだけ
・出血が長期に起こらない長期投与が
 可能なピルは保険適応ピルだけ
・保険適応ピルは最大3シート処方可能、
 自費ピルは最大6シート分処方が可能
・初診料、再診料、処方箋料は保険診療では
 日本全国どこの病院でも定額、
 自費診療では病院によって金額設定が異なる

*お値段について

病院やクリニックによって多少の違いはありますが、
大体のお値段は以下の様な設定です。

保険適応ピル

フリウェル 約800円
ルナベル 約1500円
ヤーズ 約2000円
ヤーズフレックス 約2300円
ジェミーナ 21日タイプ 約2000円
ジェミーナ 28日タイプ 約2500円

自費ピル

ファボワール 約2000〜2300円
マーベロン 約2300〜2500円
トリキュラー 約2300〜2500円
ラベルフィーユ 約2000円〜2300円
アンジュ 約2300〜2500円

(ファボワール、ラベルフィーユは、
ジェネリックなので少しお安めになっています。)

保険適応ピルは、
この他に以下の料金がかかります。

初めての日 初診料+処方料+薬剤情報提供料=1050円
2度目以降 再診料+処方料+薬剤情報提供料=570円

病気がある場合や症状の原因を調べる場合など、
この他に超音波検査や子宮癌検査などの
費用が別にかかる日もあります。

例えばのシミュレーションをしてみましょう。

初めてクリニックを受診して、
生理痛の改善目的で保険適応のフリウェルを処方された場合、
1050円+800円=1150円
となります。
2度目以降、3ヶ月分のお薬を処方された場合は、
570円+800✖️3=2970円(1ヶ月あたり1000円弱)

同様にヤーズだったら、
初診時 1050円+2000円=3000円
再診時 570円+2000✖️3=6570円(1ヶ月あたり約2200円)

(10円単位の細かいお値段は、
実際のお値段と前後することをご了承ください)

自費ピルは、
病院やクリニックによって初診料のお値段設定や
再診時の料金設定が異なります。

初診料が1000円だとしたら、
(このくらいの料金設定のクリニックが多い様に思います)

初めてクリニックを受診して、
避妊目的とニキビの改善を希望して
自費のファボワールを処方された場合、
1000円+2000〜2300円=約3000〜3300円
となります。

2度目以降、3ヶ月分のお薬を処方された場合は、
?円(再診料など)+2000〜2300✖️3
(再診料などが無料の場合は1ヶ月あたり2000〜2300円)
(再診料などが別途かかる場合は、ここに上乗せされます)
となります。

以上、ピルの選び方、参考になったかしら?
困っている症状に合わせて選んでみて下さいね。

ピルは相性もあって、
飲んでみたら気持ち悪かったとか、
むくんでしまったとか、
合わなかったりする事もよくあります。

 

産婦人科の先生と相談しながら、
自分にピッタリのピルを見つけてみて下さいね

最後まで読んでくれて、ありがとうございます^ ^



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