メニュー

ピルってどんな仕組みで効いているの?(ピルのお話③)

[2022.04.05]

 

さてさて、ピルのお話、
最後になります。

 

ピルって本当にたくさん種類があるし

メリットもたくさんあったね〜

 

ね〜
最後はピルがどんな風にして
体の中で働いているのかお話していくよ

避妊効果がある理由

ピルがどうやって働いているのか説明するには、通常の女子の生理や排卵についてお話する必要があります。

通常、女子の体の中、骨盤の中の子宮と卵巣は、卵巣で毎月1個(基本的には1個)の卵子を排卵し、排卵に合わせて子宮は妊娠に向けた準備(子宮内膜をフカフカのお布団の様に厚くして妊娠し易い様にしている)をしています。

排卵は、妊娠をするために必要な過程です。

具体的には、卵巣の中には小さな卵がいっぱい入っていて、脳から出るホルモンと卵巣から出るホルモンの力を使って、連携プレーをしながら、毎月1個の卵を自動的に選んで、大きく育てて、排卵を起こしています。

脳からは「卵を育ててね」とか「排卵を起こしてね」という命令をするホルモンが出ていて、この命令を受けて、卵巣では卵を育てたり排卵を起こしたりしてるのです。

ちょうど鶏の卵を割ると、中から白身と黄身が飛び出る様に、私たちの排卵も卵巣で卵が割れて、白身と黄身が外に出てくるのです。それが排卵です。

ピルは、この脳と卵巣のホルモンの連携プレーを邪魔します。

その結果、卵子の成長が止まって、排卵は起きなくなります。

この様にピルを飲むと妊娠しないのは、排卵が起きない様に働いているからです。

生理痛が軽くなる、月経量が減る理由

排卵がある生理はホルモン量が多いため、子宮内膜は厚くなります。

内膜が厚くなると、それが剥がれる現象である月経の出血量は多く、過多月経や生理痛の原因になります。

ピルを飲むと、排卵がなくなり、活発な女性ホルモンの働きが抑えられる結果、子宮内膜は薄いままです。

薄いままだと出血量は減り、出血を押し出す時の子宮収縮が緩やかになるため、生理痛や過多月経が改善するのです。

PMS(生理前の心と体の不調)がなぜ改善するのか

排卵を伴う生理は、育った卵から女性ホルモンの放出が多量にある上に、生理前、生理中、排卵の時期、排卵後でホルモンの量が異なっていて、ホルモンの大きな浮き沈み(波)を作っています。

排卵がある生理は、ホルモンの波の変化が大きいので、それがPMSの原因になります。

ピルを飲むと、こうした一連の女性ホルモンの働きが無くなるか緩やかになり、決まった時期に出血(生理)が起きるので規則的になり、ホルモンの変動による体の不調も起こり難くなります。

 

卵巣だけが生理や排卵に
関わっているのではないんだね〜

産婦人科を受診せずにピルを購入することについて

最近、オンラインで簡単に
購入できるピルの広告をよく見かけます。

中には「最初のひと月は無料!」
その後はひと月あたり3000円なんていう広告や
産婦人科医の相談や診察がないまま処方する所も。。

 

実際に病院やクリニックのお値段と比べて、
ひと月あたり、3000円もかからないのにな。。
内服前の確認や診察がないのは心配だな。。

もちろん、忙しいので受診する時間がない、
出来るだけ簡単にピルを手に入れたい、
など、女子の皆さんの希望はとてもよく分かります。

でも今は、病院やクリニックによっては、
実際に毎回来院しなくてもオンライン診療で
相談したり処方が出来る所がたくさんあります。

そうした産婦人科とつながっていると、
初めに病気の有無を確認したり出来るし、
いざ内服中にトラブルが起きた時も
直ぐに相談や診察が可能で安心です。

とっても基本的な事ですが再度お伝えすると、
生理痛やPMSなどの症状があって診察を受けた場合、
ピルは保険診療で処方が可能なのです。
自費ピルと比較して、グッとお安くする事も可能です。

診察の結果によって、ピルではないお薬や手術などを
提案する必要があるかもしれません。

ピルは、以前より手軽に購入できる様になり、
便利で素晴らしいお薬ですが、
お化粧品と同じではありません。

どんなピルが合っているか相談できる、
いつでも診察や相談が可能、
ピル内服に関わる色々な副作用やトラブルを相談できる、
内服しながら日常のお悩みを改善しつつ、
将来的な病気の予防や妊娠などに備えた相談も出来る、

 

病院やクリニックでの処方は
色々な意味でお買い得だと
おちび先生は思うのです

全部で3回のピルのお話、お役に立ったでしょうか?

春を迎えて一人暮らしを始めた大学生さんや社会人さんが「母がピル反対派だったのでこれまでは生理痛もPMSも辛かったけど飲む事が出来なかった。処方して欲しい。」と仰って、おちび先生の外来にたくさんいらしています。

診察してみたら子宮内膜症が見つかったり、月経量が非常に多い方をよく見かけ、痛み止めだけじゃ辛かっただろうな、とか、もう少し病気がひどくなる前に来てくれたら良かったのにな、と思ったりします。

ピルに興味を持つ女子の皆さんの中で、一番お若い方は中高生さんです。
その次が大学生さんや20代前半の社会人さん。

そういったお若い女子の皆んなにも、生理痛や生理前の体調不良が本当に辛い時、産婦人科に行けば、相談したり、お薬を一緒に考えたり、症状を良くしたり出来る所だよ、ってことを知ってもらいたいです。

そして、そうゆう治療の中に、ピルっていうお薬もあるよ、ってことも。

ピルは望まない妊娠を避ける、避妊薬でもあるので、
いま、中高生さんから20代前半の娘さんを持つ保護者さんの中には、
ピルに対してまだまだ暗いイメージがあったり、セックスの経験が多い女の子の使う物という間違った理解や、恐ろしい副作用がある、などという心の壁があるように感じます。

でも、保護者さんにも、生理痛や生理に関わる様々な体調不良は、自分達が若かった頃は我慢していたけど今は色んな対処法があって、ちゃんと良くすることで勉強にスポーツに仕事に、もっと集中できる、ってことを知ってもらいたいのです。

なので、今回は、中高生さんや20代の方や、産婦人科の知識があまりない女子が読んでも分かる様に、同じ年代の女子に何度か読んで貰ったりして、一段とやさしい言葉、簡単な表現で書いてみました。

今回はピルについて紹介しましたが、今困っている事があったら、他の治療法も含めて、産婦人科の先生と一緒に相談してみて欲しいです。

病気の有無や状況に合わせて治療法を一緒に考えることで、生理痛やPMSは改善します。ピルは、そうゆう治療の一部なのです。

 

今回のお話を読んで、
ピルについて理解が深まったら嬉しいです。
そして、その先の女子の一生に関わる
産婦人科の色々について、
女子の皆さんが興味や関心を持ってくれたら

もっともっと嬉しいです。

最後まで読んでくれて、ありがとうございます^ ^

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME