つわりがひどい:悪阻
*うさぎ女性のための診療所では、
つわりの症状が辛い方に処方や院内での点滴治療を行うことが出来ます。当院のかかりつけでなくても、ご相談が可能です。
つわりとは
「つわり」とは、妊娠初期にみられる吐き気や嘔吐などの症状です。
症状には個人差があり、「水分や食事は摂れるが食欲が落ちた」という方から、「水分も食事も全く摂れない」「食べても全て吐いてしまう」という方まで、程度の差は様々です。
つわりは妊娠初期に始まる方が多く、大抵は妊娠中期に差し掛かるくらいで症状が自然に改善する方が多いですが、妊娠後期や分娩近くになるまで続く方もいらっしゃいます。
水分も食事も摂れずに嘔吐を繰り返す様な重症の状態を「妊娠悪阻」と呼び、場合によって点滴治療や入院加療が必要な場合があります。
つわりの症状
- 食欲減退
- 嘔気、嘔吐
- 匂いに敏感になる
- 全身倦怠感
- 頭痛
- 気分の変調
主な症状は上記の通りですが、食べていないと気持ち悪い(食べづわり)という仰る方や食事の好みが変わったという方、など、人によって症状は様々です。
日によって、時間帯によっても浮き沈みがあり、良くなったり悪くなったりしながら、妊娠週数の経過と共に次第に軽減していきます。
また、つわりが急になくなると「流産したのかもしれない」と心配される方は多いのですが、必ずしもそうではありません。正常に妊娠が経過していても、突然につわりが改善することは珍しくありません。でも、ずっと気持ちが悪かったのに急に無くなると、不安になるのは当然のことと思います。
当院におかかりの方は、通院の際やどうしても心配な場合には臨時で受診をして、その旨を伝えて下さると、ご不安な気持ちを踏まえて診察に当たれます。遠慮せずにご相談下さい。
つわりとの付き合い方
つわりには特効薬の様なものはなく、生活上の注意や吐き気止めなどの対症療法で上手に付き合っていくしかありません。
- 心と身体をよく休める
- お仕事や家事などで無理をしない
- 水分をよく摂る
- 食べられるものを食べられる時に食べる
- 産婦人科で相談して、処方や点滴を検討してもらう
心と体をよく休める
お仕事や家事などで無理をしない
妊娠すると女性の心と体は、ご自身でも驚くほど、変化があるものです。
まず、ご自身で思うよりずっと、疲れ易くなっていたり、いつもと同じ分量の睡眠を取っていても眠り足りない様な感覚になったりします。
ストレスや気分の変調が出現する方もいらっしゃいます。いつもよりストレスを感じ易くなったり、些細な出来事や環境や他人の言動に敏感になったりすることもあります。
お仕事や家事などは、ご自身の心と体のコンディションとよく相談して、無理をしない様にしましょう。
いつもより睡眠時間を長くとる様にするだけでも体調は整い易くなります。お仕事や家事など、体を休められる時は、よく休むことに専念しましょう。
水分をよく摂る
食べられるものを
食べられる時に食べる
つわりが辛い時は、頑張って3食の食事をバランス良く食べなくても大丈夫です。
ただし、食事が摂れなくても水分はしっかり摂る様にしましょう。
水分も食事も摂ることがとても難しい状況の方は、可能なら、水分、糖分、電解質が一緒に摂れるポカリスエットの様な飲料が望ましいです。
食事の好みがいつもと変わってしまう方もいらっしゃいますが、つわりが辛かったり、食事が思う様に摂れない時期は、あまり内容には神経質にならず、食べられるものを食べられる時に食べるので大丈夫です。
(糖尿病など、もともとご自身の持病があって、食事に関して制限があったり、指導がある方は主治医の先生と相談して下さい。)
産婦人科で相談して、処方や点滴を検討してもらう
水分も食事も全く摂れない、食べても吐いてしまう、など、ご自身だけでは難しい場合があります。
その様な状況の場合は、産婦人科で相談をして、吐き気どめや漢方薬などの処方を検討してもらったり、点滴治療などを検討してもらう方が良いでしょう。
あまりに水分や栄養が摂れない時は、飢餓状態に似た深刻な状況に陥っていることもあります。場合によって入院加療が必要なこともありますから、自己判断せずに、産婦人科を受診して相談してみましょう。
当院で行っている対処法
- ご相談と生活指導
- 内服薬の処方
- 点滴治療
食事や水分について、生活の工夫について、医師や看護師からアドバイスをさせて頂きます。
初めての妊娠の方は特に、ご自身の心と体の変化に戸惑うものです。不安や心配が募るとストレスとなってつわりが悪化することもあります。
ご自身が感じる症状を話したり、対処法を知ることで、少しずつ気持ちが落ち着き、妊娠やつわりと上手に付き合ってくことが出来ます。遠慮なくご相談下さい。
生活指導や食事の工夫などで改善がない場合は、内服薬を処方したり、点滴治療の対応することが出来ます。
入院は難しいが、水分、食事共に十分に摂れないという状況の場合、当院では通院による点滴治療を受け入れています。当院で妊娠経過を観察中の患者様はもちろん、他院で妊婦検診予定の方も受け入れ可能です。
*こんな状況の方は要注意です(入院加療を検討する状況)
- 水分・食事共に全く摂れない
- 摂っても、ほとんど吐いてしまう
- 尿が出ていない
この様な状況の方は、先ずは受診して頂き、問診と尿検査が必要です。
ご自身の体をよく観察して、当てはまる場合は産婦人科の先生に相談しましょう。