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過多月経、出血量を減らすことは出来るの? (シリーズ過多月経③ )

[2022.03.11]

 

前回の投稿を読んでくれた女子の皆さん、

色々な身体の不調、実は月経量が多いせいかも?

という人もいたのではないかしら。

今回は、

  • 3)過多月経の原因、どんな検査が必要か
  • 4)過多月経の治療

についてお話ししていきます。

3)過多月経の原因

過多月経は原因となる病気が隠れている可能性があります、と過多月経①でお話しました。

過多月経は診察してもまったく原因が見当たらない場合もありますが、子宮筋腫(筋肉でできた腫瘍)、子宮腺筋症(子宮の壁が厚くなる病気)など、原因となる病気が隠れている場合も多いのです。

子宮腺筋症

子宮筋腫

これらの過多月経を起こす病気は、だんだん悪化する事も多く、また将来的に不妊症や妊娠した際の流産の原因になったりする事もあるので、注意が必要です。

腹部超音波(お腹の上から診察)や経膣超音波(膣から診察)などの超音波検査は通常の外来で簡単に出来る検査なのですが、子宮筋腫や子宮腺筋症などは、この超音波検査で発見することが出来ます。

基本的には強い痛みは少なく簡単な検査なので、月経量が多いな、とか、生理痛が重いなと思う方は是非一度、産婦人科に相談に行き、診察をしてもらって下さい。

検査は主に、

  • 初診料 850円
  • 超音波検査(内診 もしくは お腹から) 約1500円
  • 血液検査(貧血の有無など) 料金は検査項目の数によって変わります 

 

超音波の検査は、産婦人科ならどこでも直ぐに出来る、

基本的な検査です。

 

思ったより大きな負担がなく、検査が可能なんだねぇ

超音波検査で心配な病気が見つかった場合は、大きな病院を紹介して貰ったり、より詳しい検査を行う事もあります。

4)過多月経の治療

 

過多月経がどんな原因で発生しているか、年齢、近い日程での妊娠希望の有無、などによって、治療法は異なります。

1)低容量ピル

低容量ピルは生理痛が辛い時もよく使用されるお薬ですが、過多月経の方にも良い適応があります。

シリーズ生理痛③でお話しましたが、低容量ピルは排卵が起きない様するお薬で、排卵が起きないことで女性ホルモンの働きが穏やかになります。

女性ホルモンの働きが穏やかだと、子宮内膜は厚くならず、結果的に月経量が減ります。

子宮筋腫や子宮腺筋症があると診断された女子は、低容量ピルを内服すると月経量が減るだけでなく、病気の進行を遅らせる効果も期待できます。

低容量ピルは色々な種類があるので、産婦人科の先生と相談して、自分に合ったものを処方してもらって下さいね。

 

ピルの副作用や注意点は

生理痛の治療でも詳しくお話しています

注意:低容量ピルは、40歳以上の女子は慎重投与です。他の治療を選択するか、先生と相談しながら一緒に考えるのが良いと思います。

2)子宮内ホルモン放出システム(商品名;ミレーナ)

こちらもシリーズ生理痛③で登場した治療法です。

ミレーナは作用の仕方は異なりますが、低容量ピルと同様に子宮内膜を薄くしてくれる装置です。

こんな装置です↓ 装置というと大掛かりな感じですが、実際は手のひらに乗るくらいの小さなプラスチックです。

出典:バイエル薬品株式会社

ミレーナを装着していると、排卵も起きるし生理もきますが、ミレーナから放出されるホルモンのおかげで子宮の内膜は薄くなるため、出血の量が減ります。

低容量ピルと異なり、40歳を過ぎても安全に使用できる点や、薬の様に飲み忘れなどがない点がメリットです。

最近、日本でも徐々に市民権を得てきて、使用されている患者さんが増えてきました。

 

おちび先生もたくさんの患者さんに使用しています。

一度、挿入してしまうと痛みや違和感は無いそうですよ。

3)子宮内膜症・子宮筋腫などの治療

子宮内膜症の一種、子宮腺筋症(子宮の壁が厚くなる病気)の診断を受けた女子は、その治療を行うことで、結果的に月経量を減らす事が出来ます。

具体的には、低容量ピル、ジエノゲスト(商品名ディナゲスト)というお薬があります。

どちらも女性ホルモンの働きを抑えて、子宮内膜を薄い状態に保つことで出血量を減らす効果は同じです。

また、同様に子宮筋腫があると、場所や大きさによって過多月経や生理痛の原因になります。お薬や手術などの相談が必要です。

 

患者さんの年齢、病気の進行具合、妊娠の希望、

お値段などを一緒に相談して治療法を決めます

4)貧血の治療

過多月経によって、貧血(血液検査のHb(ヘモグロビン)値が低い状態)が発生している場合は、造血するための材料である、鉄剤を内服する事もよくあります。

  • 出血量が多くて貧血があり身体が疲れ易い
  • 健康診断で貧血を指摘される
  • 妊娠の希望があって上記の様な排卵が起きないお薬や避妊の効果もあるミレーナを使用できない

という女子は、鉄剤内服が必要になる可能があります。Hb(ヘモグロビン)値を先生と一緒に確認して、処方を検討してみると良いでしょう。

貧血が改善するだけでも、体感する体調はかなり改善します。産婦人科の先生とぜひ、相談してみて下さいね。

 

月経量は減らす事も出来るし

貧血が良くなると体調は良くなるんだね

 

月経量が減ると生理痛が軽くなる

貧血がなくなると体調が良くなる

良いことばっかりです^ ^

過多月経の投稿を読んで、自分の毎月の生理と照らし合わせてみて下さい。

大切なことなので、何度も言っちゃいます。

生理痛と同じく、月経量が多い女子も、ぜひ、産婦人科での検査をお勧めしたいです。

過多月経は、ちゃんと調べれば原因が分かる場合があります。
過多月経を改善すると生理痛や貧血を改善できます。
また、将来の不妊症や妊娠中の危険を予防する事も出来ます。

産婦人科に相談に行ってみて欲しいです。良いこと、いっぱいあります。

最後まで読んでくれて、ありがとうございます^ ^

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